
親父に認めてもらうことよりも大切なことがあるんじゃない?
親に認めてもらうことよりも大切なことがあるんじゃない?
家族経営あるある?
三代目として酒販店を継ぐことを決め家に入ったのが今から23年前?だったと思うんですけど、家族でやってるとバッチバチ衝突することも多々ありまして、僕が自分でやりたいってことと親父がやってきたことが違うこともあり、本当に意見が食い違いぶつかり合いことが多かったですね。
地元の同級生で自営業者が多く跡取りも沢山いたんで会うと親のことで愚痴ったりしてて、どの業種でも家族経営だと衝突はあるんだなって思ってました。
そんな跡取りの同級生と話してると『親をギャフン(聞いたことないけど)って言わせるには結果を出さないとダメなんだよな』ってことになるんですよ。
例えば新しい仕事を取ってくるとか新しいお客様との取引を取ってくるとか、そんな感じになってくるんですけど僕の場合は自分で探したお酒をお客様に買っていただいて、美味かったよって言ってもらえることが親父を納得させる手段だって思ってました。
そもそもなんでなの?
親を納得させないと自分の思う通りにならないと思ってたんで、そのために結果を出さなきゃって頑張ってたんですけど、ある時に思ったのが『そもそもなんで親父を納得させなきゃいけないんだ?』ってことでした。
自分のやりたいようにやるためってのはありましたけど、今となって思えば僕の中のクソみたいな小っぽけなプライドだったのかなって。
自分でもやれる!
新しい考え方の方が良いんだ!
親父のやり方は古い!
そんなクソみたいなちっぽけなプライドのために親父と張り合ってたんじゃなかろうかって。
向いてる方向が違う
でもそんなことはお客様にとっては全く関係のないことで、その時はお客様の方を向いてるんじゃなくて親父の方を向いてたんですね。
その時は必死に自分で商品を見つけてお客様に飲んでもらって『美味かった』って言ってもらえば、親父に対して僕がドヤ顔できるって本気で思ってて、お客様のために探してるってのとは違ってたんじゃないかって今は思います。
まぁ結果的に他のお店で扱っていない商品ばかりのお店になったんですけど、最初の目的が全然違ったんです。
勝てるはずがない
そもそも論として親が酒販店としてやってきてくれたから自分も大学まで出してもらえたし、それこそ事業で失敗して多額の借金を作ってどん底の中で酒販店として生きてきた親父に勝てるわけないんですよ。
そして親がやっててくれたから自分もすんなり酒販店を継ぐことを決めたし、親のお客様がいてくれたから今も僕が三代目としてやっていけてる部分は大きいんです。
そんな親父に勝てるはずないんですよ。
というか親に勝たなくて良いんですよね。
仕事を始めたばかりの時に『今までのお客様は俺のお客様であってお前のお客様ではない。だからお前はお前のお客様を作っていかなきゃダメなんだ。』って言われたんですけど、それすらわかっちゃいなかったですからね。
親と一緒に23年間やってきた今となってはちょっとだけわかるような気がします。
まぁ23年一緒にやってきて一度も褒められたことはないですけど、親父が僕のことを褒める時は親父が死ぬ時だって思ってるんで、一生褒められなくても良いと思ってます。
人生の先輩であり商売人の先輩の親父を僕は尊敬しています(本人には言わないですけどね)