
本格焼酎を飲まれる方で『あれ?ゴミかな?』って思った方も多いかもしれません
焼酎の瓶の中にプカプカ浮いてるのはゴミじゃないですよ!
以前お客様から『こないだ買った焼酎にゴミが浮いてたから捨てちゃったよ!』と言われたことがあったんですけど、よくよくお話を伺うとゴミのように見えたのが焼酎に含まれる『フーゼル油(ふーぜるゆ)』であることが判明しました。
そもそもフーゼル油ってなんなの?ってことですけどウィキペディアによると
フーゼル油は、蒸留酒を作る際や発酵法により作られたエタノールを分留して精製する際に高沸点の揮発性成分として得られる留分のことである。したがって、フーゼル油は混合物であり、そのどれもがエタノールよりも沸点が高い。なお、フーゼル油は水に溶けにくく比重が水よりも軽いため、蒸留酒を作った際に油滴として分離し酒を濁らせたり表面に浮いてくることもある。
〜Wikipediaより抜粋〜
簡単に言うと本格焼酎に含まれる製造過程で造られる油分のことなんですけど、このフーゼル油ってのが本当は焼酎の旨味成分であり、このフーゼル油が浮いている商品を選んで買っていかれる通な方もいらっしゃいます。
それとちょっとした豆知識ですけど昔はこのフーゼル油が二日酔いの原因とされていましたが、研究の進んだ現代においてはフーゼル油が原因ではなく、二日酔いの原因となる物質はエタノールの代謝によってできるアセトアルデヒドなのでフーゼル油は無実の罪をきせられていたってことですね。それでもドイツではフーゼル(Fusel)って名称は品質の悪い安酒を表しているそうです。
この時期の特に見られる瓶の中でプカプカ浮いてる浮遊物を画像で確認していただこうかと思ったんですけど見づらいですかね…。
油分なので寒い時期によく見られるんですけどフーゼル油ってそんなに悪いものなんですか?って話で、フーゼル油って『焼酎の華』って呼ばれていて個人的な意見としては焼酎に香りがプラスされたり旨味が増すんじゃないかと思ってて、無濾過の焼酎とかって美味いような気がしませんか?(あくまでも個人的な意見ですけどね)
しかしながら酸化してしまうと味わいや香りを損なってしまう【諸刃の剣】であることも確かです。
好き嫌いもあるだろうしフーゼル油が嫌いな方は無濾過の焼酎は避けた方がいいだろうし、むしろフーゼル油大歓迎って方は無濾過の焼酎を選ばれたらいいと思いますよ。
でもこのことを気づいたのは『焼酎を飲まれる方が全員フーゼル油のことを知ってるわけじゃないんだから、そこは売る側がキチッとお客様にご説明し理解してもらわなくちゃいけないんだ』ってこと。
日本酒飲まれる方全員が日本酒に詳しいわけじゃないし焼酎を飲まれる方全員が焼酎に詳しいわけじゃない。
もちろん酒屋の僕よりも詳しい方はたくさんいらっしゃいますけど『お酒を飲むから詳しい』ってことじゃないんだってことです。
そのためにはやっぱり酒屋としてお客様にシッカリとお伝えしていかなきゃなと改めて思いました。
それと焼酎の華が咲いててもお湯割にすれば焼酎に溶け込んじゃって消えてしまいますからね〜