
何気ない一言でどん底に突き落とされたり何気ない一言で救われたり。
誰かの何気ない一言で嬉しくなったり誰かの何気ない一言で落ち込んだり、誰かからの一言で自分が救われる時だってあります。
憧れている人からの何気ない一言で物凄く自信がついたり。
だからこそ言葉って凄く大切だと思うんです。
言葉にも色々ある
僕には人生を救われたと言ってもいい位に大切な言葉があります。
震災になり横浜の姉の家に避難していた時の事でした。
当時小学校6年生だった息子と小学校5年生の娘の学校もなく仕事もない毎日で、先の見えない不安とこれからどうしようという時、毎日公園に行って子供達と遊んでたりパソコンで情報収集をしていました
それまで酒屋として自分で仕事していましたが、状況が一変して本当にこれからどうしたらいいかわからない生活を送らなければいけないんだと落ち込んでいました。
全国の知り合いの酒屋さんからは心配していただいてご連絡いただいたり、お心遣いを送っていただいたり、優しいお言葉をかけていただきました。
自分の仕事もそうだけど子供達の生活も不安だったし、子供達も自分たちはこれからどうなるんだろうと不安だったと思います。
そんな時に横浜の甥っ子と遊んでいた息子は普通に話していただけだったのですが「〇〇君、訛ってる」と甥っ子が何気無く言った一言が相当ショックだったのか、おしゃべり大好きだった息子がそれからは話さなくなってしまいました。
息子との会話の中で
自分の将来のこともそうでしたけど子供達は将来何になるんだろうとか勝手に考えていて、店を継がせようと思ってはいませんでしたけど、少しでも可能性があるならばって思ってはいました。
でも小学生だったので息子と仕事の話をした事は無いし子供として酒屋になる選択肢は無いだろうし、ましてや酒屋って事すら理解していないんだろうなぁなんて勝手に思ってたんですよね。
息子と何気ない会話の中で「これから何の仕事しようかなぁ。芸能人とかになっちゃおうかな。」って息子にふざけて言ってみました。
そしたら息子が「駄目じゃん。石ちゃんと被っちゃうもん。」
『パパはね、やっぱり前掛けしか似合わないんだよ。』
私にとって大切で有り難い言葉でした。
見てくれていた
何も仕事の話しなんてしたことなかったし息子がまさか僕の仕事をちゃんと理解し見ててくれたなんて思っていなかったので本当にビックリしました。
何気ない会話の中で言われた一言でしたが僕にとっては
もう一度酒屋としてやっていこう!
もう一度酒屋としての姿を息子に見せなくちゃ
と思った一言でした。
何気なく言った言葉で救われる事もありますし、何気なく言った言葉で落ち込む事もあります。
自分の考えと違う捉え方をされる場合だってあります。
だからこそ言葉って大切なんだと思います。
息子に「あの時こう言われたから俺は酒屋として復活しようと思ったんだよ」って言ったんですが、息子はそんな事は覚えておらず「そんな事言ったっけ?」って言ってました。
でも震災後の今の酒屋としての僕があるのは、その息子の一言があったおかげだと感謝しています。
今改めて思うと息子との会話の中でのあの一言が無ければ、私は今何をしていてどんな生活をしていたかわかりません。
大袈裟かもしれませんが僕の人生を変えた息子の一言でした。
そんな言葉を言ってくれた息子に恥じないように、これからも頑張って酒屋としての親父を見せていければと思います。