
お客様に喜んでもらうために地酒屋に方向転換しました
どうも!酒のしのぶや三代目店主の佐藤浩一です!
僕は子供の頃から車が好きで親父が運転する助手席に乗って、対向車を『あれ何?』って聞いて教えてもらいながらドライブするのが好きでした。
親父も車好きだったんで全部教えてくれてたんです。
昔の車のデザインはカッコよかったなぁと思うし僕は昔の車の方が好きですね。
今の車の方が性能的にも全然いいんでしょうけどね。
進化している
今の車って凄いですよね。
昔の車にはない機能が盛り沢山で安全性能も圧倒的に向上してるし、燃費とかエコとか色々と考えられてますよね。
危ないと止まってくれたり自動で運転してくれたり。
各社色々試行錯誤しながら他社にない技術で他社にない機能を装備して『ウチはここの装備が凄いんです!』って、ディーラーに行くと営業さんが説明してくれるんですよね。
中には『〇〇(他のメーカー)の車にはない、こんな機能があってウチのは凄いんです』っていう販売担当の方とかもいるんですよね。
確かに凄いんだろうけどって思うんですけど、僕はいつも思うことがあります。
誰のための競争?
他社よりも凄い機能を開発するんだ!とか考えてるかどうかはわかりませんけど、各社素晴らしい機能を開発してるんだったらその技術を共有して更に凄い車を作り出せば、乗る側としては今よりももっともっと安全に車に乗れるってことですよね?って思うんです。
今の車の安全性能って各社凄いけど、その技術を共有したらもっと凄い車ができて、買う側はより安全な車で出かける楽しみが手に入るんじゃないのかなぁと素人ながら思ふ。お客様のために技術を競い合うんじゃなくて、お客様のために技術の共有をした方がいいんじゃないの?#競争より共有#誰のため
— 酒屋の佐藤浩一改めドカベン山田太郎 (@saketen51) 2017年6月13日
今よりも安全で安心して車に乗れたら出かけるのだって楽しいんじゃないのかなぁって。
あとはメーカーさんで選んだり車自体のデザインで選んだりすればいいだけのことじゃないですか。
その方がお客様の方を向いて車を作ってるって感じがするんですよね。
そして車業界全体が盛り上がっていった方がいいんじゃないかって思うんですよね。
これは酒類業界も同じなんじゃないかと思います。
競い合うんじゃなくて協力し合った方が業界全体が盛り上がって、お酒楽しむ人達が増えてきたら飲酒人口も増えてくるんじゃないかなって。
ウチも昔は競争をしてた
何度かブログでも書かせてもらってますけど、ウチは親父が元々町の何でも屋的なお店だった『しのぶや』を、酒ディスカウント店として業務転換したお店だったんです。
僕が店に入った前の年で年商2億7千万で店舗企業診断士が言うには、町の規模とお店の規模からしてこれ以上は上がらないだろうと言われたらしいです。
確かに人口2万3千人の小さな町で親父と母ちゃんと姉ちゃんの3人では限界だったのかもしれないですね。
でも粗利は一桁でした。
そんな商売ならば辞めた方がいいと色々考えて僕も方向転換をしてきました。
ディスカウント店の時は『他店と1円の価格差が命取りになる』と思って、他店のチラシが1円安ければウチも更に1円下げてと、まさにそこは価格戦争でした。
チラシが入らなくてもお店が暇になると他店の通常価格が安いんじゃないかっていう思い込みで、隠れるように他店の価格調査に行ったり親戚や友達に頼んで調べてきてもらったり。
重いビールをせっせと運んで100円もない粗利で、体はキツイし他店よりも高いと『安くしろ!じゃなきゃ買ってやんねぇぞ!』と言われ、更に粗利を下げた結果手元には何も残らない負のスパイラル。
本当に疲れきってましたね。
競争を辞めたら楽になった
価格競争しても大資本には敵わないし価格を下げるために問屋さんやメーカーさんにも、僕がお客様にされて嫌だった『下げてくれなきゃ他から買うから!』と言ってました。
他店の価格には常にピリピリしてて【商売=楽しくない】って本気で思ってました。
そんな時に他店で扱っていない本格焼酎や地酒に力を入れた酒屋にしようと方向転換を考えたんです。
有名じゃないけど美味しいお酒は沢山あるんだから、ウチはそういうお酒を探してお客様に飲んでもらいたいって。
蔵元さんに認められ特約販売店として販売する本格焼酎や地酒は、基本的には一切値引き販売ができないものです。
値引き販売してしまうと蔵元さんからの供給が止まってしまうし、そもそも大切に造られているお酒を安売りしたくないですからね。
方向転換をすることでウチは価格戦争から離脱しました。
そりゃそれまでの安売りの商品を買いに来ていただいてたお客様は全く来なくなり、当然お店の売り上げは激減しました。
僕が帰って来てから震災前までで16〜7年で年商としては1億以上下がりました。
だけど安売りしなくなったんで粗利は10%上がりました。
年商1億下がったも楽しかったんです。
でもお客様に喜んでいただけた
色々なお酒を自分で探したり仲間の酒屋さんにご紹介していただいたりして本格焼酎や日本酒が充実し始め、本格焼酎だったら『しのぶやに行けば何か変わったのがあるって聞いて来た』ってお客様も増えてきました。
そんなお客様から『こないだのお酒美味しかったよ』って言われるのが本当に嬉しかった。
僕が探した有名じゃないお酒を飲まれたお客様から『美味しかった』って言ってもらえるのって、お客様の喜びがダイレクトにわかるから嬉しいんですよね。
競争してた時には得られなかった感覚でした。
今考えればディスカウント店の時はお客様に喜んでもらえてる実感がなかったかも。
競争を辞めて一番良かったことですね。
競争は誰のため?
価格競争の商売をしてきて思ったのは『価格を下げることが本当にお客様のためなのか?』ってことです。
確かに同じものを買うんだったら安い方がいいかもしれません。
でもどこでも買える安売りの商品を売るよりは『有名じゃないけど自分で探した美味しいお酒』を、多くのお客様に飲んでもらえた方が、お酒好きなお客様に喜んでもらえるんじゃないかって思ったし、そっちの方がお客様から『美味しかったよ』と喜んでもらってるのがダイレクトにわかるので、自分が一番楽しいし嬉しいんですよね。
競争を辞めたら本当に楽になったし仕事が楽しくなりました。
どうせやるならお客様に喜んでもらった方がいいですもんね!